HMDとレースシム

VRゴーグルを取り巻く環境は変化が速く、気がつけばプラットフォームや規格といった前提条件が大きく変わっていることも珍しくない。

Microsoftは、同社が提供していた複合現実(MR)プラットフォーム「Windows Mixed Reality(以下WMR)」を2023年に“非推奨(Deprecated)”と正式に発表し、Windows11の24H2以降でOSから削除することを決定した。このアナウンスにより、WMR向けに設計されたデバイスやアプリは今後サポートされず、動作保証もなくなることが明確になった。

結果として、WMRを前提に動作していた私のVRゴーグル「HP Reverb G1」も、Windows 11環境では公式には利用できない状態となり、机の横で長らく“沈黙”したままになっていた。

WMR

▲Windows11の24H2以降でWMRを利用していたハードは実質サポート対象外となった

もともとこのHMD、初期不良率の高さなどから人によって評価の分かれる製品だったが、スペック的には今でも十分通用するVRゴーグルであり、映像は綺麗だし軽いし、“軽VR勢の最適解”みたいな存在だった。

なのに、WMR終了の瞬間にただの重りと化してしまった。存在感だけはあるけど機能は無い、いわゆる文鎮化である。

HP Reverb G1 Spec

▲HP Reverb G1 Spec

そんなHP Reverb G1 を前に、「まあ仕方ないか」とほぼ諦めていた。砂漠に放置したままのガジェット、って感じだった。でも、最近 Windows 11 のPC環境を全部再セットアップする機会があって、その流れでふと「これ、復活できないかな?」という悪い癖が出てしまった。

そんな時、砂漠で喉カラカラの時に見つけた救世主が「オアシス」だった。

Oasis Driver for Windows Mixed Reality」は、2025年8月29日にMatthieu Bucchianeri氏によって Steam で公開された、無料のユーティリティドライバだ。

このドライバをインストールすることで、WMR対応ヘッドセット(HP Reverb、Samsung Odyssey、Lenovo Explorer など)をSteamVR経由で動作させることが可能になる。

最大の特徴は、従来必須だった「Mixed Reality Portal」を完全に不要にした点。Microsoft が提供していた純正 WMR ソフトウェアを介さず、SteamVRのみでヘッドセットが動作する仕組みを実現している。

対応機能としては、ヘッドセットのトラッキング(6DoF)、モーションコントローラーのトラッキング、OpenVR / OpenXR アプリケーションの利用などがサポートされており、公式 WMR がサポート終了した Windows 11 環境でも、KinectベースのWMR デバイスを “復活” させることができる。

 

動画の通りの簡単な作業で、文鎮化していた私の家のHP Reverb G1も元通りのHMDへとなり、使用してみても今のところ何も問題がない。コントローラも左右問題なくSteamVRで認識した。これは革命的だと思った。

オフィシャル(steam)の紹介動画だと Windows 11の24H2で動作報告が上がっていたけど、私の環境である25H2でも問題なく動作しました。

作者さん、本当にありがとう。あなたのおかげで僕の部屋から“漬物石”がひとつ消えました。

復活したHP ReverbG1

▲復活したHP ReverbG1

ノーコストで復活できた意義はデカい。私はVR機材に無限に金を突っ込むタイプではない。できれば今あるものを長く使いたい。特にHP Reverb G1 は当時そこそこの価格したし、「壊れてないのに使えない」という最悪の状況だったから、今回の復活はめちゃくちゃ嬉しい。

そして何より、1円もかからなかったという事実が素晴らしい。VRって沼だから、新しいHMD買うたびに財布が死ぬ。でも今回は持ってるものだけで全部解決することができた。


▲Assetto Corsaで、富士スピードウェイにてZITA-01でのテスト走行の様子(1’58.962)

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